妊娠するとママの体もホルモンバランスも大きく変化して、ホルモンバランスがもたらす影響はどんなに若くて元気な人だって、分娩直後から6~8週間は更年期のような変調をきたすともいわれています。
私は産後1カ月健診で「産後うつ気味。産後うつになりやすい状態にある」といわれましたが、そんな状態になっていたのに全く自覚がなく「まさか自分が?」と驚いたのをハッキリと覚えています。
「産後うつ気味」といわれたらどうすればいいのか?対策はあるのか?
実際に産後うつ気味といわれた私が、症状が改善されるまでの改善法や自身の体験談をご紹介していきます。
「マタニティブルーズ」と「産後うつ」は何が違うの?

マタニティブルーズ
マタニティブルーズは急激なホルモンバランスの変化や、生活の変化などによって起こる一時的な気分の落ち込みです。
わけもなく気持ちが落ち込んでしまったり、産後直後に情緒不安定になってしまうなど、約6~8割のママに一時的に現れる症状で、数日~数週間で症状がおさまっていることがほとんどです。
黄体ホルモンや卵胞ホルモンが産後、急激に減少することで精神面にも影響を与えることが原因。
そこへ慣れない育児や産後の疲れが加わり、気分が不安定になってしまいます。
マタニティブルーズは一時的な症状なのであまり心配することはないそうです。
しかし、この不安定な精神状態に慣れない育児にストレスがたまり、産後うつに移行する可能性もあるので油断はできません。
- 涙もろくなる、わけもなく悲しくなる
- 不安で憂うつな気分が続く
- イライラしたり、神経質になる
- 疲れやすく、なんとなく体調がすぐれない
- 物事に対する意欲がなくなる、食欲がなくなる
- 気分の浮き沈みが激しい
- 些細なことで傷つき、尾を引いてしまう
- 自信を失う、落ち着きがなくなる
産後うつ

マタニティブルーズの症状が1ヵ月以上続く、産後1ヶ月くらいは普通に過ごしていたのに急に気持ちの落ち込みがひどくなったり、食欲不振・眠れないなどの症状が最低2週間以上続くなど、産後うつは発症時期が遅く、産後2、3週間~3ヶ月くらいの間に出る場合が多いです。
マタニティブルーズは自然に治ることがほとんどですが、放っておくと産後うつに至るケースもあります。
産後うつの症状は様々ですが特徴は症状がなかなか消えないこと。
マタニティブルーズと区別がつきにくく、本人も気づかない・本人から訴えにくいという状況もあるためパパや周囲のサポートが必要です。
初産の時には特に起こりやすいそうですが、現在はコロナ禍の影響で家族の支援が受けれない、相談する機会や場所が減っているという状況から産後うつが増加傾向にあります。
- 気分が沈む
- 疲労感、無気力感が続く
- 悲観的になりやすい
- 自信を失う
- 不眠、疲れやすい、憂うつなどの症状が続く
「産後うつ気味」とわかるまで

私はコロナの影響で実家に帰れず家族の支援がない、引越してきたばかりの土地で近くに友人もいない、産後は手伝いをしてくれる人がいないと、夫婦でなんとかするしかない状況でした。
もちろん夫は最大限のサポートをしてくれましたが、仕事を休んで赤ちゃんと産後の私をケアしてくれるわけではなかったので、日中は赤ちゃんと2人きりで過ごす毎日…。
体は万全ではないのに24時間体制の慣れない赤ちゃんのお世話に、最低限の家事をこなし退院してからの1ヵ月はゆっくり静養することができず常に寝不足で不安定な状態でした。
- 自信がなくなる
- 頑張りたくない、やる気が起きない
- 意味もなく泣いてしまう
- 3~4時間くらいしか眠れていない
- 神経質になる
- イライラする
- 電話の音がストレスに感じる
- 食欲がない
産後1ヵ月健診で「産後うつ気味」といわれ、ようやく自分が産後うつになりやすい状態にあると自覚しましたが、病院で指摘されるまでは全く気づきませんでした。

特に産後は泣いて過ごす日が多く、自分でも驚くくらい気持ちの浮き沈みが激しくなり、夫ともよく衝突していました。
産後うつに拍車をかけた「キッカケ」があった

私の場合、追い打ちをかけたキッカケが孫フィーバーのお姑さんからの電話攻撃でした。
赤ちゃんを寝かしつけてやっと寝れる!というときにお姑さんから電話が来て長電話に付き合わされる…毎日のようにくるお姑さんのしつこい着信音に気が狂いそうでした。
些細な会話から「赤ちゃんがかわいそう」といわれたことをキッカケに、頑張ろうと思っていた気持ちが途切れてしまい、いきなり泣き出してしまったのをよく覚えています。
この頃から私は、気づけば泣いているか、無気力状態になることが増え、日を追うごとに食欲がない、眠いのに寝れない、電話の音にイライラするといった状態に陥っていきました。

早く切りたい!!と思ってもお姑さんの電話って切りたくても切れないし、切ってくれないし、気をつかうし…。もう悪循環でしかありません。
産後うつ気味といわれて改善したこと

産後うつ気味で、産後うつに片足突っ込んでいるといわれたときには「え、まさか私が産後うつ?」と思ったのが正直な感想です。
1カ月健診で産後うつのカウンセリングを勧められて受けましたが、産後うつのカウンセリングを受けなかったら自分の状態にすら気づけませんでした。
私の場合「産後うつ」の診断を受けたわけではありませんでしたが、定期的にカウンセリングを受けたり、周りに協力してもらったりするこで徐々に症状は落ち着いてきました。
①原因と考えられる人(物)から距離をとった

妊娠中~産後まで夫婦のケンカの原因、産後の精神的な問題の1番の原因はお姑さんのプレッシャーでした。
産後も新生児をひとりでお世話しながら産褥期を過ごしているという状況を知っているのに、出るまで電話をかけてくるしつこさにウンザリして、次第に着信音が聞こえるだけで憂うつに…。
姑コールに狂いそうだった私は、急用以外は夫経由で連絡するように上手く夫からお姑さんに伝えてもらい、お姑さんと連絡が取れないように物理的に距離を置きました。
私のようにお姑さんや義実家のストレスが原因で産後うつっぽくなってしまうという方は結構多いそうです。
私の場合、お姑さんとの連絡を絶ったことで、精神的にかなりラクになれました。
②夜中の授乳(ミルク)は交代制にした

夜中も2時間おきに起きて授乳していましたが、ミルクと混合だったため2回に1回はミルクをあげていました。
ミルクを作って与えることは夫にもできるので、ミルクは夫に担当させて夜中の授乳は2回に1回は休むようにしました。
夜間のミルクを交代制にしたことで、今まで1~2時間しか寝れなかったのが2回に1回の授乳に変わっただけで3~4時間は連続して寝れるようになります。
また、必要最低限の家事以外は夫に任せるようにしました。
「自分がしなければ」と思っていた部分もあり、産褥期も無理をして最低限の家事をこなしていましたが、自分の食事以外は一切家事をやめ、掃除・洗濯・炊事・沐浴はすべて夫に任せました。
睡眠時間を少しでも長く確保できたこと、家事の負担が減ったことでかなり安定したように思います。
③赤ちゃんと距離を置く

「赤ちゃんが寝てくれない!」「何をしても赤ちゃんが泣き止まない!」
そんなときは少しだけ距離を置いて気持ちを落ち着かせたり、ママの時間を30分ほど確保するようにと、カウンセリングで教わりました。
さすがに30分は無理でしたが、赤ちゃんが泣いてどうにもならない!という時はたった5分でもいいので赤ちゃんから少しだけ離れて外の空気を吸ってみてください。
肩の力を抜いて思いっきり深呼吸するだけでも気持ちが落ちつき、楽になりますよ。
④相談窓口を利用する

保健師や助産師に電話で話しを聞いてもらえるサービスや、助産師さんが自宅へ来て1~2時間じっくり話しを聞いてくれる助産師訪問を利用しました。
定期的に産院へ行き産後うつのカウンセリングを受けたり、利用できるサービスは利用するようにして、相談することでかなり気持ち的に楽になったのを覚えています。
私は近くに相談できる場所を知らなかったのですが、カウンセリングを受けたときに産院で相談窓口をいくつか教えてもらいました。
夫ではわかってくれない、言っても伝わらないと思って「はなす」ことを諦めていましたが、自分の状況をわかってもらうには「誰かに助けを求める」しかないです。

お住まいの地域によってサービス内容は異なりますが、助産師相談窓口や、市の子育て支援課といった場所に確認してみるとなにか利用できるサービスがあるかもしれません。
「産後うつ」は他人ごとではありません

私は産後ケアを利用して入院を1週間延長し、退院後は週1回程度ヘルパーを利用していたため、退院してから床上げまでの数週間くらい自力で乗り切れると思っていました。
しかし、退院してから1人で過ごす産褥期は体力的にも精神的にも想像以上にきつかったです。
妊娠中は周りもママを気にかけてくれますが、出産を終えると周りの視線は赤ちゃんにいきがちで、ママの気持ちはどこか置き去りになってしまい、孤独感を感じてしまうことってありませんか?
育児の不安、出産の疲れ…憂うつな気分が続いていませんか?
最低でも6時間は睡眠時間を確保できていますか?
無事に出産を終え、元気に退院してきたらママはもう元通り!なんてことはありませんよね…。
出産がキッカケの産後うつは、セルフケアや周囲のサポート、専門医の治療で改善する場合が多いため「いつもと違う」「気分が沈みがち」など、些細なことでも症状が続くようなら一度受診するようにしましょう。
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