意外にも悩んでいる人が多い「妊娠中の痔」。
私もそのうちの1人でしたが、恥ずかしくて放置してしまった結果、痔の症状は悪化…。
痔のまま出産したうえ、産後は痔の症状はさらに悪化と、症状の改善には長い時間がかかってしまいました。
そこで今回は、なかなか言い出せない「妊娠中の痔」について初期症状や改善法・予防法など、自身の体験談をもとにご紹介していきます。
妊娠中「痔」になってしまう原因

まず、痔になってしまう原因として便秘が大きな要因にあります。
妊娠中の便秘は、黄体ホルモンの影響や、子宮が大きくなることで腸を圧迫し、腸の動きが鈍くなるのが原因。
妊娠中の痔は子宮が大きくなるにつれ肛門周辺の静脈が圧迫されるうえ、便秘で便が硬くなってしまうことが要因といわれています。
・3~4日もお通じがない
・お腹が張る
・硬い便で排泄しにくい
妊娠しても便秘にならない人もいれば、出産するまで薬を飲んでも改善されない人もいて、個人差がありますが、もともと便秘体質の場合は妊娠中は更に便秘になりやすい傾向があります。

私は妊娠初期から便秘に悩まされ、ひどい時は1週間お通じがないこともありました。
【痔 体験談①】妊娠中の痔 初期症状~自覚するまで

初めはお尻を拭いたときに箸先ほどのごく少量の血がつくことがたまにある程度。
自覚症状もなく、血がついたとしても痛みもありません。
毎回血がつくわけではなかったため「そのうち治るかな」と軽く考えてそのまま放置していました。
・お尻を拭いたときにごく少量の血が付く
・鮮血(赤い血)
・痛みはない
・自覚症状もない
痔であることを自覚したのは便秘が1週間以上続いたころ。
排泄時に「痛っ!!」と思わず声が出てしまう痛みを感じ、お尻を拭いてみるとトイレットペーパーには少量の鮮血がついて、便器は血で赤くなっていました。
・排泄時に少量出血がある
・排泄時におしりの穴が痛い
・切れた箇所が痛くて踏ん張ることができない
・便が硬い
一度切れてしまうと、排泄時は同じところが切れてしまい便が硬いと痛みは倍増…。
便秘が1週間程度続いて便が硬くなってしまったときは排泄後も切れたところが痛く、椅子に座るのすら辛かったです。
妊娠中 痔になったら何科を受診すればいい?

✔妊娠中に痔になったらまずは「産婦人科」
✔症状がひどい場合は産科医に相談したうえで「肛門科」
✔産後1カ月程度経過しても治らなければ「肛門科」
痔になってしまったら何科を受診したらいいのか悩みますよね。
実際に私が産科で主治医に相談したときの回答は、妊婦が痔になった場合は産婦人科でよいそうです。
症状があまりにもひどい場合は肛門科を勧めることもあるそうですが、妊娠中は痔の手術はできないため薬の処方のみになるケース多いそうです。
また、産後1カ月程度経過しても痔の症状が改善しない場合や、産後に痔の症状が悪化してしまった場合などは肛門科の受診を勧められました。
妊娠中に処方された薬は?

私は便秘気味だったこともあり、痔の症状は初期段階で自覚症状や痛みもなかったため、便秘改善のため酸化マグネシウム(便秘薬)が処方されました。
・ピコスルファートナトリウム
・酸化マグネシウムなど
食事や生活習慣を改善しても治らない便秘に、妊娠全期間を通じて処方されます。
便秘薬は多量に使うと下痢や腹痛を起こすため注意が必要です。
長期間使って効き目が弱いと感じた場合は他の薬に変えてもらえるケースもありますので、主治医に相談してみてください。
1番最初に酸化マグネシウムを処方されたときは「夕食前 2錠」飲むと翌朝には柔らかい便がでていましたが、2週間も経つと酸化マグネシウムが効かなくなったのか、薬を飲んでも1~2日お通じがない日が出てきます。
お通じがない場合は「朝食前 2錠」、それでもお通じがなければ「昼食前 2錠」を飲んで体調に合わせて薬の量を調整していいと主治医にいわれていました。
【痔 体験談②】自己判断で便秘薬をやめた結果

自己判断で便秘薬(酸化マグネシウム)の服用をやめた私は便秘症状が悪化し、切れ痔になりました。
妊娠中はなるべく薬を飲みたくないと思うママも多いと思います。私もそう考える1人でした。
そのため、最初は処方通りに薬を飲んでいた私ですが、薬を飲んでも効かないと感じたと同時に自己判断で便秘薬(酸化マグネシウム)を飲むのをやめました。
しかし便秘症状は一向に改善しなかったうえ、切迫早産で自宅安静になった24週からは更に便秘症状は悪化し、27週には切れ痔になってしまいます。
結局、酸化マグネシウムを1日3回(朝・昼・夕食前×2錠)毎日飲むことになり、処方通りに薬を飲んでもお通じがない日が3日以上続いてしまったり、切れ痔は産後まで続いてしまったりと散々な結果に…。
もっと早い段階で便秘を改善しておけばよかったと後悔しかありません。

ピコスルファートナトリウム、酸化マグネシウムなどの便秘薬は、妊娠初期にはつわりを軽くする目的を兼ねて処方されるケースもあるそうです。
※薬の飲み方は、主治医の指示に従ってくださいね!
【痔 体験談③】痔のまま出産!?

もちろん切れ痔はすぐには治らないため、私は切れ痔のまま出産をしました。
出産時は陣痛が痛くてお尻の痛みは全く記憶にありませんが…笑
しかし不思議なことに、産前あれだけ辛かった痔の症状が産後3週間ほどは落ち着いていました。
産後2週間くらいは下痢っぽい軟便だったせいか排泄時に痛みや出血はなく「もしかして切れ痔治ったかも?」と錯覚するほど快適でした。

産後は分娩時のいきみなどが原因で痔が悪化する場合もあり、産院で塗り薬や飲み薬を処方してもらうことで早期に治る方も多いそうです。
便秘・痔の予防法は?

痔の予防は何といっても便を硬くしないこと・便秘の改善です。
長期間の切れ痔に悩まされた私ですが、便が柔らかければ我慢できる痛みですが、便が硬いと激痛で排泄するのが怖くてトイレに30分以上こもってしまうなんてこともありました…。
まずは便秘の改善、症状がつらい場合は産婦人科で塗り薬や便秘薬を処方してもらいましょう。
便秘予防は水分補給がなによりも大切だと主治医からいわれました。
・適度な運動をする
・朝起きたらコップ1杯の水を飲む
・水をこまに飲む(初期は1日1.5~2L、後期には2.5~3L飲んでました)
・乳酸菌・食物繊維の多い食品を食べる
・長時間同じ姿勢でいない
・お腹(腸)マッサージする
・下半身を冷やさないようにする
どれも便秘改善ではお馴染みの内容ですが、個人的に「効果があったかも?」と思ったものをご紹介します。
水をこまめに飲む
平均で1日2L~2.5L、多いときは1日に3L以上の水を飲むようにしました。
ポイントは一度にたくさんの水を飲むのではなく、こまめに水分補給をすること。
夏場は熱中症予防にもなり、便秘改善にも効果がありました。
✔500mlのペットボトル数本に水を入れ「1日でどれくらい飲んだか?」を見える化する
こまめに水分補給できるように常にペットボトルを持ち歩いていました。
1日の目標分のペットボトルを用意して(3ℓなら500ml×6本)、ペットボトルの残数をみて「今日はまだ2ℓしか飲んでいないな…」など、飲んだ量を目で見てわかるようにすることで、産後まで1日に2~3ℓの水を飲み続けることができました。
乳酸菌・食物繊維の多い食事
R1やヨーグルトなどの乳酸菌の多い食べ物や、食物繊維の多い食事を心がけました。
食事はキノコ類、海藻類、根菜を多く摂るようにして食事を改善することで、1ヵ月続けたころには薬なしでもお通じがくるようになりました。
冷やさない・お腹マッサージをする
身体の冷えは便秘の要因にもなるので、寝る前は腹巻をしたり、運動ができない代わりに寝ながらできる腸マッサージをしていました。
お尻を冷やしたり、長時間座りっぱなしはお尻に負担がかかり便秘や痔の一因になります。
座りっぱなしや長時間同じ姿勢にならないよう、適度に姿勢を変えるようにしたり、円座(ドーナツクッション)が便利でした。
「痔」には必須のお助けアイテム

定番ですが痔には円座(ドーナツクッション)が必須です。
切れ痔の症状か悪化すると排泄後もお尻が痛くて円座なしでは座ることができませんでした。
痔になって円座をわざわざ買い替えた私がおすすめする条件は2つ。
✔硬めの素材
✔穴が大きめ
柔らかい円座はすぐにヘタってしまうのと、座ったときに穴の意味がない?というくらい潰れて患部が床についてしまいました。
そのため高反発ウレタンの円座に買い替えましたが、高反発ウレタンは座りごこちは硬いですが傷口が床についてしまうことはなく、しっかりしているので型崩れしにくくヘタりません。
また、穴が小さいと会陰切開後に傷口があたってしまうので穴は大きめのものがおすすめです。
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便秘・痔の症状はいつまで?

便秘
妊娠中は便秘が改善したり便秘になったりの繰り返しでしたが、切迫早産で寝たきりになった27週からは完全な便秘になり、便秘が改善されたと実感したのは体を動かせるようになった産後3ヶ月頃。
便秘は早い段階で薬を処方してもらい、処方された通りに薬を飲んだり対処法を続けたことで一時は薬なしでもお通じが来るまでに便秘症状は改善されました。
しかし絶対安静で寝たきりになってからは、薬を飲んでも1週間以上お通じがないことも。
体を動かさないで寝たきりの状態では薬を飲んでも軽いストレッチをしても、便秘はよくならず、体を適度に動かすことが便秘解消には1番効果があると実感しました。

便秘気味の場合は早い段階で薬を処方してもらうなどして、症状改善しておいた方がその後のトラブルを軽減できます。
痔
便秘が改善することで痔の症状も一時的に改善されましたが、産後には切れ痔の症状が悪化し、排泄時の痛みや出血がなくなり完全に治ったと思えたのは産後8ヶ月。
私は排泄時に痛みや出血があったため、妊婦健診の際に主治医に薬を処方してもらいましたが、痔の症状はすぐに改善せず、産後6~7ヶ月くらいまで切れ痔による排泄時の痛み・出血がありました。
根本的な便秘改善が必要といわれて処方された便秘薬(酸化マグネシウム)は産後2ヶ月ごろまで量を調整して服用していましたが、産婦人科でも希望すれば塗り薬を処方してもらえます。

私は塗り薬は処方してもらいませんでしたが、無理をせずに塗り薬も出してもらえばもっと治りも早かったかも…と後悔しています。
痔にならないように早めの対処を!
産後、何よりも辛かったのは切れ痔でした。
産後のママは赤ちゃんのお世話で自分のことは後回しにしてしまい、トイレに行けない状況が続くことで便秘や痔が悪化…なんてことがよくあるそうです。
そこで便秘気味の症状があるのなら、まずは試してほしい3点のことをご紹介します。
・母乳をあげていて、便秘気味
・トイレに行きたい時に行けない状況がよくある
・産後は一気に水分補給の量が減った
①水分補給
産前は赤ちゃんのためにと頑張って水分補給をしていましたが、産後は赤ちゃんのお世話に追われ一気に水分補給の量がが減ってしまいます。
母乳をあげている場合は、母乳に水分が摂られるため今まで以上に水分補給が必要になります。
妊娠初期から産後までとにかく水分補給が大切で、便秘・痔の改善には最も手軽にできて効果的なのが水分補給でした。
②トイレに行けない状況の改善
赤ちゃんのお世話をしていると、行きたい時にトイレに行けないような状況ってありませんか?
せっかくの便意を逃してしまい、排便のリズムが崩れてしまったりということは産後よくありますよね。
せめて便意を感じた時はトイレに行くようにしたり、決まった時間にトイレに行くようにしたりして体のリズムを整えるような工夫をするようにしましょう。
またトイレに行けるときに早めにトイレに行くことは、産後の尿漏れ対策にもなりますよ。
③薬をもらう
妊娠中は赤ちゃんに影響がないように薬は飲みたくないと思っていたため、できるだけ薬を飲まずになんとか便秘解消しようとしていました。
しかし薬の力を借りてもお通じがなかったりと、症状が悪化するほど改善も難しくなります。
早い段階で便秘解消しておくことで症状の悪化を防ぎ、痔の予防にもなります。
自力での便秘改善が難しい場合は、早い段階で薬を処方してもらうようにしましょう。
まとめ

私は妊娠初期から便秘、妊娠中期には切れ痔に悩んでいましたが、産後は便秘・痔どちらの症状も悪化してしまいました。
毎日たっぷりの水を飲んで、産後も薬を飲み続けることで、症状は徐々に改善していきましたが産後~6ヶ月くらいまでは切れ痔の症状は本当に辛かったです。
私は「薬に頼りたくない!」と思って処方された薬を自己判断で止めてしまいましたが、お腹が大きくなるにつれ便秘も改善しにくくなります。
私のように、症状が悪化してしまうと治るまでにかなりの時間がかかってしまうため、早い段階で対処することが大切です。

気づけば産後8ヶ月ころには便秘も痔も自然に改善されていましたが、改善までには長い期間を要しました。
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