離乳食を初めた5カ月ごろのこと。
いつものように離乳食を食べさせていると、赤ちゃんの口の周りや首が急に赤くなり小さなブツブツが現れました。
「アレルギー!?」と驚き、すぐに小児科を受診したところ正体は「接触皮膚炎(よだれかぶれ)」。
実際にどのような症状があったか?どのような治療をするのか?
実際に症状がでた時の画像とあわせて、小児科で教えてもらったケア方法もご紹介していきます。
実際にあった症状
こちらの写真は離乳食を初めて2週間ほど経った生後5カ月の時の写真になります。
▶食べさせたもの
手作りおかゆ+粉末タイプのベビーフード(ほうれん草)
▶症状が出るまでの時間
食事中~食べさせ終えてから20~30分ほどで赤いブツブツができた
▶症状が出た部位
あご、首、鎖骨周辺(デコルテ)
▶症状
痒がって掻いてはいたが、下痢や嘔吐、せき、呼吸困難などの症状はなくいたって元気
心配だったため2時間以内に小児科を受診しましたが、病院に着いたころにはブツブツは消え、赤みも引いて症状は治まっていました。
写真を医師にみせたところ、食べさせたものは「おかゆと市販のベビーフード(ほうれん草)」で、嘔吐や下痢といった症状もなく本人は元気にしていたことからアレルギーの可能性は極めて低く、『接触皮膚炎(よだれかぶれ)』の可能性が高いと診断を受けました。
接触皮膚炎・よだれかぶれの原因は?
接触皮膚炎
何かに接触してかぶれ、かゆみや湿疹が出る症状を総称して接触皮膚炎といいます。
接触皮膚炎にはアレルギー性と刺激性があり、主に皮膚にとって刺激のあるもの(よだれや汗、食べ物など)に触れた部位に起こる炎症で、赤い発疹がでたり痒みを伴います。
よだれかぶれ
よだれが原因で起こる接触皮膚炎の一種が『よだれかぶれ』。
離乳食を始める5~6ヶ月ごろになると唾液の分泌が増えますが、赤ちゃんはまだ唾液をうまく飲み込むことができないためによだれになります。
よだれで肌がぬれている時間が長くなると肌のバリア機能が低下し、バリア機能が低下した肌に母乳やミルク、離乳食の食べこぼしなどがつくことが刺激になって炎症を起こします。
よだれかぶれの症状・なりやすい部位
接触皮膚炎(よだれかぶれ)になりやすいところは『 口の周り、あご、頬、首、胸の上部 』といった、離乳食の食べこぼしや、よだれ、ミルク・母乳などで汚れやすいところです。
- 口の周りが赤くただれる
- 口の周りに痒みのある赤いブツブツ(発疹)ができる
- 頬、あご、首、胸の上部まで炎症がでる
- 離乳食やミルク、よだれがあたる部分に痒みを伴う赤い発疹ができる
上記のような症状は接触皮膚炎(よだれかぶれ)かもしれません。
受診するタイミングは?何科を受診する?
・赤いブツブツ(発疹)できた
・痒みがあり掻きむしる
・発疹など症状範囲が広い
・皮膚がむけたり、膿をもっている
上記のような症状がある場合は小児科か皮膚科を受診しましょう。
皮がむけるほど掻きむしったりする場合は、かゆみを止めるステロイド剤の塗り薬を1日1~2回塗って患部を清潔に保ち、原因を取り除くことで数日で症状が治まります。
”かぶれ”と”アレルギー”
かぶれとアレルギーでは症状が出るタイミングが違います。
・かぶれ
かぶれの場合は徐々に皮膚の赤みやブツブツといった症状が現れる
・アレルギー
アレルギーは食事中~30分程度で赤みやブツブツといった皮膚症状が現れる
息子の場合は食事中~食後30分程度の時間で蕁麻疹のような発疹が現れましたが、アレルギーを起こす食材としては極めて稀な食材で、一時的な反応だったためアレルギーの可能性は低いとの診断を受けました。
小児科の先生に教えてもらったポイントは4つ。
- 一時的な反応か
…よだれや離乳食、ミルクなどがついた部分だけの一時的な反応 - 全身症状があるか
…呼吸困難や咳、下痢、嘔吐など全身症状がある - 症状の出る場所
…よだれや離乳食などが付着しないところにも発疹などの症状がでる - 症状が出る頻度
…同じものを食べると毎回、発疹や蕁麻疹など同じ症状がでる
離乳食を食べた後に口の周りだけ赤くなり、元気なら心配はいらないケースがほとんどだそうです。
口の周りの赤みや発疹だけでは食物アレルギーの診断は難しく、②③④のような症状があったり、顔色が悪い、ぐったりしているといった症状がある場合は早急に医療機関の受診が必要です。
処方された薬は?治療法は?
処方された薬
・プロペト
・キンダベート軟膏
息子が処方された薬は保湿剤としてプロペト、抗炎症剤としてステロイドのキンダベート軟膏が処方されました。
治るまで
離乳食の前後は口の周り~胸の上部までワセリンを塗って保護をしてから食べさせていましたが、何度か同じような症状を繰り返していました。
しかし息子の場合、同じ食材を食べさせても発疹などの症状がでない時もあったため、かぶれ(接触皮膚炎)の可能性が高く、ワセリンとステロイドを使って経過を見守ることに。
処方通りにワセリンで保湿・保護し、赤みのでる部分にはステロイド(キンダベート軟膏)を塗って様子を見守っていましたが、10日くらい経った頃には症状がでる回数が減り、気づいたら治っていました。
治療法
一般的にはステロイド入りの塗り薬を処方され、医師の指示通りに薬を塗って清潔を心がけていれば数日でよくなります。
・皮膚保湿剤
(ワセリン、プロペト)
・非ステロイド系消炎塗り薬
(アズノール軟膏、スタデルム軟膏、亜鉛華軟膏)
・ステロイド入り塗り薬
(ロコイド軟膏、キンダベート軟膏、アルメタ軟膏)
薬を続けても治らない、よだれかぶれを繰り返すという場合には症状が出た時の写真を撮り、症状が出た時に食べさせたものをメモするなどして、再度、小児科か皮膚科の受診をおすすめします。
ケア方法のポイントは3つ
①保湿・保護
ワセリンを塗ることで肌がコーティングされ、食べ物やよだれなどの刺激から肌を守ってくれます。
離乳食前には口周りや首など湿疹が出やすいところにワセリンを塗って肌を保護すると、食材が直接肌に触れるのを防ぐことができます。
食後は肌を清潔にして再びワセリンを塗って保護するようにしましょう。
※保湿剤など、処方薬が出ている場合は処方された薬を塗ってください。
②清潔
汚れたスタイが赤ちゃんの肌に触れたままになっていると炎症の原因になります。
スタイはこまめに交換して清潔に保つようにしましょう。
優しく
授乳や離乳食後、よだれが多く出ているときはお湯で絞ったガーゼやタオルで優しく拭き取りましょう。
ゴシゴシと拭いたり擦ったりすると赤ちゃんの肌を刺激してしまうため、ポンポンと軽く押さえるように優しく拭くのがポイントです。
また、ティッシュは赤ちゃんの肌が傷つきやすいのでティッシュで拭くのは避けた方がいいそうです。
不安なら早めに受診を
実際に息子の症状を目の当たりにして、食後30分程度で発疹などの症状がでるような場合、かぶれなのかアレルギーなのか素人では全く判断できませんでした。
受診のタイミングやケア方法をご紹介してきましたが、不安がある場合は早めに小児科か皮膚科を受診をしましょう。
▶『#8000』ご存じですか?
#8000は『子ども医療電話相談 #8000』のこと。
子ども医療電話相談#8000は、休日・夜間の子どもの症状にどう対処したらいいか?すぐに受診が必要か?などの判断に困ったときに小児科医師または看護師に電話で相談できるものです。
#8000は全国統一の短縮番号で、お住いの都道府県の相談窓口に自動転送され、お子様の症状に合わせた対処法や受診のアドバイスを受けることができます。
子どもが40度近い熱を出したけど急いで医療機関を受診したほうがいい?など、判断に困ったときに利用しています。
休日・夜間に対応してくれる心強いダイヤルなので、覚えておくといざというときに役にたちますよ。
▽乳児湿疹の肌トラブルは別の記事で紹介しています▽
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